証券会社から先のお話

みなさんは、証券会社へ注文した後どのような経路をたどって、みなさんのお手元(=口座)にお金もしくは有価証券が届くか知っていますか。

今回、有価証券を代表する株式における3日間を簡単ではありますがお話ししたいと思います。

ご存じのとおり、株式は証券会社に注文を出すことで売買ができます。当社もその一社です。

証券会社への注文後の流れは以下のようなものとなります。

1日目

注文された売買情報をもとに証券会社は取引所へ発注します。

取引所でもっとも有名なのは東京証券取引所ですね。

経済ニュースで日経平均株価などが報道される際の背景に、企業名と値段がクルクル回っているところです。

取引所では、受けた注文を「価格優先」「時間優先」の原則のもと銘柄ごとに売りと買いでつけ合わせが行われ、合致すれば約定となります。

「価格優先」と「時間優先」をざっくり言うと、

「価格優先」とは、買いの場合は高い値段の注文、売りの場合は安い値段の注文が優先される

「時間優先」とは、先に出された注文が優先される

ということになります。

2日目

取引所は、約定された情報を清算機関である日本証券クリアリング機構へ連携します。

売り手と買い手が直接決済するのではなく、清算機関である日本証券クリアリング機構が間に立ち、双方の決済履行を保証します。

また、効率的な受渡しを行うためネッティングを行います。これ以降、株式については受渡しという行為となり、「受け」は「買い」のことであり、「渡し」は「売り」のことを指します。

ネッティングとは、株式では証券会社・銘柄ごとに受けと渡しを相殺し、資金では証券会社ごとに支払いと受領を相殺して、超過となった方の行為を行います。

例えば、x証券のA銘柄で受ける株数が1000株、渡す株数が800の場合、受ける株数の方が200株多いので、ネッティング結果は「x証券・A銘柄・受ける株数200株」となります。

ネッティングされた証券決済データは決済機関である証券保管振替機構へ、資金決済データは日本証券クリアリング機構が指定する銀行へ送られます。

3日目(最終日)

証券保管振替機では、日本証券クリアリング機構から受け取った証券決済データをもとに決済を行います。買い手の資金と売り手の証券が“揃った”ところで決済が実行されます。

ここまででお気づきの方もいると思いますが、取引所への発注から清算・決済機関からの受渡・入出金のやりとりまで、売り手・買い手となっているのは証券会社となります。

証券会社がみなさんのお手元(=口座)に入金(売却代金)もしくは入庫(購入した株券)をすることになります。

ちなみに、この約定から決済までの3日間を証券用語では、「T+2」と呼びます。

Tは取引成立日“Trade date”の頭文字をとっており、Tの2営業日後に決済されることを表します。