アラフィフ技術者が転職してみた

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はじめまして、システム開発一部の山下です。

マネックス証券に入社して1年半。自身の転職活動について、少し振り返りたいとおもいます。

アラフィフ転職

1994年に外資系IT企業に新卒として入社しました。Web系のシステム開発を主に担当しつつ、26年間ほど勤務しました。

新卒の頃はまだバブルの影響が残っており、かつ理系なので学校推薦という仕組みで採用されました。つまり新卒時は就職活動をほとんど経験していません。

2020年春に早期退職制度に応募し退職。それから3ヶ月ほど転職活動した後、マネックス証券に開発者として入社しました。

50代、いわゆるアラフィフになって、初めての転職を経験したことになります。そこで苦労した3つのポイントを振り返り、あくまで自己流ですが、その対策について簡単にご説明します。

ニッチなロール

同じ業界に長く居ると、他業種から見て、ロール(役割)分けが細分化されていることを忘れがちです。

私は技術者として長らく「ITスペシャリスト」というロールで働いてきました。特定の製品やエリアに詳しい技術者で、「プロジェクト・マネージャー(PM職)」とはまったく異なったキャリアパスとして定義されていました。WBS を書いたり、管理することもなかったです。

※ 外資系だったことも大きいかもしれません

ITスペシャリストは深く特定の技術に向き合うロールで、私も技術論文は喜んで書きますが、プレゼンはあまり得意ではないです。なので全体を俯瞰的に見て提案する「コンサルタント」向きの経歴ではなさそうです。

私はIT企業に勤め、IT業界に長く居ましたので、この専門的すぎる立ち位置(ニッチなロール)に気がついていませんでした。他の業界においては50代の「開発者」はこれら2つの典型的なロール、もしくはこれらを基とした広い範囲の経験をもった方をイメージされがちです。実際、転職サイトに登録して届いたオファーは、PM職かコンサルタントのどちらかでした。そしてこれらは、残念ながら私があまり望んでいないロールでした。

結果として、私の転職活動は以下のようになりました。

まず転職サイトは継続して参考にするが、頼りすぎない。各社のWebサイトに掲示された求人情報を探し、そこで求められているロールの中から自分に合ったものを選んで、直接申し込む。完全に合うロールは難しいので、自分の中で最も大事なこと、私の場合は「とにかく設計・プログラミングなどの開発作業が好き」という判断基準で選びました。

長すぎる職務経歴書

20年以上働いていますから、様々な経験をしています。それを真面目に棚卸して、職務経歴書をまとめるとどうなるか。私の場合は、長編小説か?と思うような、長い、自分語りの資料となりました。面接の練習をしてみると、職務経歴を交えた最初の自己紹介だけで30分を超えます。

いや、これでは面接になりません。。

推敲を重ね、半分ぐらいの分量にしました。ところが実際に話してみると、説明時間はあまり短くなりません。表現を工夫して圧縮しているだけで、伝えたい内容が減っていないから。結局、説明する際に元の内容に戻してしまうのです。

大幅に削り、取捨選択する必要があります。面接する側にとっても経歴は判断の基準のひとつでしかない。限られた時間で自分をアピールするために、経歴の中でどれを選び、どう表現するのか。同種は省き、また短時間でアピールが難しいものは外す必要がありました。

経歴の断捨離が必要です。考えてみたら、当然のことですよね。

でもアラフィフの技術者である私にとって、豊富な経歴は自分の支えのように思っていました。経歴の断捨離を実施できるようになったのは、面接を何度か失敗した後、こりゃアカンと実感した後となります。

ということで結論としては、前述の選んだロール、対象の業界にあわせて、厳選した数個の案件だけで職務履歴書を作成することとしました。割愛した経歴は、入社後に時間をかけ、行動を通じて理解してもらえば良いと考えました。

説明の難しい技術

私が長く担当していた技術・製品は、残念ながら著名なものではありませんでした。

例えばパブリック・クラウド技術ですが、よく知られているものとしては Amazon AWS、Google GCP、Microsoft Aure の御三家があります。そして AWS がネーミングに凝っているからでしょうか、この領域では独特の製品名や用語が多くあります。そして御三家でないクラウド体験は、他人に説明が難しいです。

知識がある技術者相手でも、自分の過去の案件について理解してもらうのは苦労します。基礎からしっかり話せば理解してくれるのでしょうが、面接時にそんな時間的な余裕はない。かといって一般的な用語にまで砕いて説明すると、冗長になります。

また用語に対する共通認識がしっかりしていないと、技術的なアピールをするのが難しいと感じます。技術者なのだから、特に現場の技術者との面談で深く語りたい。その会社のシステムの話もしっかり聞いて、自分がどんな貢献ができるのか意識してアピールしたい。しかし現実には、時間切れで終わる、不完全燃焼のような面接が続きました。

これが今回の転職活動において、最も悩んだ点となります。

私の対応としては、転職活動をいったん控え、Amazon AWS の資格を取得しました。クラウド技術の基本は同じなので、説明のやり方、用語などを意識して学びました。そして自身の過去の案件を AWS の用語・概念で説明できるようにしました。より一般的な概念・用語になるように再勉強したことで、過去の自分の案件によりフラットな目線を持つことができるようにもなりました。偏っていた知識・用語など補正され、以前よりは適切かつわかりやすい言葉で表現できるようになったと思います。

転職時は時間に追われ、焦ってしまうものです。それでも、あえて一旦立ち止まり、自分の知識や経験を一般化し、整理して再認識するのは大切だな、と思いました。ただこれ、転職前に意識して、常日頃から実施しておくくべきだった気もしています。。

最後に

以上、私の転職体験を3つのネタに絞ってまとめてみました。このブログエントリは、あくまで個人として経験した内容となります。何かを推奨したり、保証するものではありませんので、あくまで一例として、参考にしていただけたらと思います。

読んでいただきありがとうございました。マネックスの採用にご興味のある方は、ぜひ以下募集をご覧ください。

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