こんにちは。企画設計グループのtです。企画設計グループに着任してまもなく3年経ちます。この3年間で、個人投資家向けサービスから社内用業務システムまで、様々なジャンルのシステム開発案件に携わってきました。
企画設計グループは商品企画部門・営業部門・業務部門など様々な部門と協力しながら案件を推進します。
上流工程で関係部門から要件をヒアリングし「早く・安く・シンプルな」実現策を考えるには、システム開発に関する知識だけでなく、金融商品や業務分析に関する知識も求められます。
（私は金融系の知識ゼロの状態で入社したため、今でも日々調べながらシステム開発案件を推進しています。）
今回は、最新の金融系の情報を収集するために、私が実務で使っている無料の情報源と会員専用サイトについて紹介します。
金融系のニュースは情報の正確さがまちまちなため、できるだけ発信元のサイトで情報を確認することをオススメします。
１．商品サービス
有名なプレスリリース配信サイトです。この記事で紹介するサイトの中で、最も読みやすいです。業種や会社名を指定して、各社のプレスリリースをリアルタイムでメール配信するサービスがあるため、手軽に他社動向を知ることができます。
- 特許情報プラットフォーム
行政のサイトです。特許の詳細を手軽に検索できます。PR TIMESで特許取得したプレスリリースについて調べたり、新規開発する内容が既存の特許に抵触しないか調べたりすることができます。
個人的には、最も勉強になるのは自社や他の証券会社で口座開設（※）して使ってみることだと思いますが、全社制覇はさすがに難しいので上記のサイトも利用しています。
※2017年に日本証券業協会の規則が改正されて、ある証券会社に勤めていても、他の証券会社に口座開設できるようになりました。ただし、証券会社によっては他の証券会社に勤務している方は、口座開設できないことがあります。
２．証券税制
行政のサイトです。ニュースで話題になった老後2000万円問題のレポート（https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html）も読めます。特に「金融審議会」のページは、後日資料や詳細な議事録まで公開されています。翌年度の証券税制の改正に関連する議論が行われていることがあり、興味がある分野や自社に関係ある回は目を通しています。
- e-Gov（電子政府の総合窓口）
行政のサイトです。「法令」のページで、金融商品取引法をはじめとして、様々な法令を検索することができます。
また、「パブリックコメント」のページで所管府省：金融庁で絞り込むと、翌年度の証券税制の改正に関連するパブリックコメントの募集情報と募集結果を調べることができます。
自主規制機関のサイトです。「定款・諸規則」のページで、証券業で取り扱う商品やサービス、社内業務に関する基本的なルールを調べることができます。
証券税制は毎年変化していきます。行政で方向性が決まり、自主規制機関や取引所で詳細なルールが決まり、各企業でシステム対応を行うといったように、変更内容が徐々に具体的になっていきます。マネックス証券は日本証券業協会に加入しており、会員制用サイト内で公開されている資料を基に証券税制対応の内容を検討しています。
漢字だらけの資料を読むのは根気の必要な作業ではありますが、自社システムにどんな影響があるかを想像しながら読んでいます。
３．セキュリティ
- JPCERT
セキュリティ関連情報の発信などを行う一般社団法人のサイト。「Java コーディングスタンダード CERT/Oracle 版」のページは、セキュアコーディングについて体系的にまとめられており読みやすいです。Weekly Reportのメールマガジンでは、重要なセキュリティ関連情報についてサマリを読むことができます。
- Security NEXT
有名なニュースサイトです。業界横断のセキュリティ系ニュースをざっと調べたい時に使っています。
セキュリティに関する情報は数年前に比べると格段に増えましたが、金融業界に特化した事例や対策例については無料の公開情報がまだ少なく感じます。
マネックス証券は以下の団体に加入しており、会員専用サイト内で公開されているレポート等から、より金融業界に特化した情報を入手して、セキュリティ要件を決める時の参考にしています。
- FISC
- 金融ISAC
