現代に残るタイプライターの文化

こんにちは。システム開発部の牛崎です。

先日、とある駅のプラットフォームでトムとジェリーのポスターを見ました。某遊園地とのコラボレーションのようです。
僕は小学校1~2年生の頃にトムとジェリーをよく見ていて、中でも「Saturday Evening Puss (土曜の夜は)」という回が好きでした。
この回の中で黒猫がピアノを演奏するシーンがあるのですが、黒猫やピアノの挙動がタイプライターを打ち込んでいるようにも見えていた事を思い出しました。
そんな訳で、今回は「タイプライター」について少しお話しようと思います。

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改行コード

テキストエディタを使っていると、CRやLFという文字を見かけますね。
これらコンピュータで改行を表す制御文字であり、改行コードと呼ばれています。
通常、WindowsではCRLF、LinuxMac OS XはLFを改行コードとして認識します。適切な改行コードを使ってプログラムを書かないと、動作不良の原因になるので注意が必要です。

このCRとLFですが、Carriage ReturnとLine Feedの頭文字を取ったもので、これはタイプライターのキャリッジを戻す動作 (=Carriage Return)と、紙を送って改行する動作 (=Line Feed)の事を表しています。
普段何気なく使っているキーボードのBack Space・Shift・Tabといったキーも元々はタイプライターの機構から来ています。

LinuxUnixにはターミナルの標準入出力に使用しているデバイスファイルの名前を表示するttyコマンドがありますが、これは「Tele Typewriter」の略、つまり遠隔のタイプライターを意味しています。
ただし、sshコマンドで遠隔地のコンピュータにログインした場合は疑似端末 (Pseudo Terminal)に接続されるため、ttyコマンドで表示されるデバイスファイルの名前はptsになります。
ローカルだとttyなのに、遠隔だとpts。ややこしいですね。

キーボード配列

また、一般的なキーボード配列であるQWERTY配列もタイプライターから来ています。
何故こんな不思議な配列になっているかはよく分かっておらず、打鍵速度を落として故障を防ぐためであるとか、モールス信号の打鍵用にデザインされたなど、諸説あるようです。
上から2段目のキーだけでTYPEWRITERと打てるのは... タイプライターから来てるかどうかは分かりません (笑

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ちなみに「The Typewriter」という楽曲もあり、タイプライターが楽器として使われていたりします。偶然にも、Saturday Evening Pussの初公開と同じ1950年の楽曲でもあります。
実機のタイプライターだからこそ演奏できる楽曲ですが、メカニカルキーボードを強打すればタイピング音くらいは真似できるかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=g2LJ1i7222c


デジタルな形になっても、タイプライターの文化が現代のコンピュータの中で生きているというのは凄いですよね。
こういった意外な繋がりを知るのもエンジニアとして働く1つの面白さではないでしょうか。

 

牛崎 洸システム開発部 開発グループ エンジニア