注目集まるブレインテック

 



こんにちは。システム開発一部 内製開発グループのJです。 最近お笑いにはまってまして、私生活で飲む以外は只管芸人さんの動画などを見てます。 かまいたち最高。

早速ですが、今回は「ブレインテック」について紹介したいと思います。 自分がこの分野を研究している訳でも、関連するシステム開発をしている訳でも無いので、 今回は「ブレインテック」ってなんぞや、という概念的な話の触りの部分や、最近取り組まれている事例について、 参考文献を交えながら書いていきたいと思います。

「ブレインテック」の技術

「ブレインテック」とは、2022年04月15日に日本総研さんが出した資料「ブレインテック最新動向2022」(*1)によると、 「脳(Brain)× テクノロジー(Technology)を組み合わせた造語」とあります。

具体的にブレインテックとされている技術には以下のようなものがあります。

fMRI(functional Magnetic Resonance Imaging)

磁気共鳴画像 (magnetic resonance imaging; MRI)を用いて、脳活動の代用マーカー(surrogate marker)としての局所酸素代謝・血流動態を画像化する技術(*2

EEG(Electroencephalograh)

頭に電極を付けて、「脳の電気信号を頭皮上の電極から観測」(*3)する装置

 

脳血流や脳の電気信号から、脳を理解して活用してくる技術が発展してきているのですね。

ブレインテックで分かること

そもそもですが、皆さんは脳に興味が有りますか?私はあります! 何故かといえば、自分を知るには、自分が意識している部分以外の自分、つまり「無意識」を知る必要があるかと思うからです。

例えば、自分では「なんともない」と考えていたことでも実はストレスになっていたことに身体的症状で後から気付いたり、自分でも意図していない行動をついとってしまったりなど。

人は意識した部分だけでは自分をコントロールできず、無意識的なところに動かされているのだと日々実感してます。

そして、その無意識を知るにはどうしたらいいのか、、、、 やり方はいろいろとあると思うのですが、一つには「テクノロジーを駆使して脳の状態を測る」ということが上げられると思います。 前述した、脳血流や脳の電気信号から、本当の主観や知覚、運動意図、認知状態を知ること、ですね。 「脳活動をモニタリングしながら自己制御する」(*4)ことをブレインテックでは「ニューロフィードバック」といいます。

また、脳活動を機械で客観的に測ることで、自分のことだけではなく、他人の考えていることや状態も視覚や言葉より正確に知ることができるようになる可能性があります。 ブレインテックにおいて、「本人しか知らない主観的な意識や知覚を解読」(*5)するための技術を「デコーディング」といいます。

ブレインテックのビジネスでの活用例

「ニューロフィードバック」や「デコーディング」といった、技術的に客観的に自分や他人の脳を理解する技術は、ビジネスでどのように活用されているのでしょうか。

またまた日本総研さんの「ブレインテック最新動向2022」からの引用になりますが、それぞれ既に下記のような事例があります。

ニューロフィードバック

・脳計測装置「FocusCalm」を開発。スポーツ選手が集中力やリラックス度を高めるために活用。(*6

・睡眠中の脳波を計測し、快適な睡眠を促す音波を流すヘッドセットを発売(約4~5万円程度)(*7

デコーディング

・香水の香りを嗅いだ時の脳波を計測し、顧客の好みに合った香水を提供するサービスを発表(*8

・動画コンテンツ視聴時に計測した脳データを基に人の感情を予測する「Neuro AI」を開発(*9

ブレインテックがビジネスで活用されることで、人々の生活が更に向上するうえ、自分の好みにあったものを見つけるのもずっと容易になっていくのだろうことが期待されます。

最近注目されているブレインテック

これまで「ニューロフィードバック」や「デコーディング」といった人間の知覚などを理解してビジネス等に役立てる技術に着目してきましたが、 もう一つ、まさにイーロン・マスクやIT企業のMeta(旧Facebook)が最近熱心に取りんでいるブレインテックがあります。

BMI(Brain Machine Interface)

です。

情報セキュリティ大学院大学客員准教授の小林雅一氏は、著書のなかでBMIを以下のように説明してます。(*10

「文字通りコンピュータをはじめ各種マシン(機械)を「私たちの脳」と接続し、双方の間で直截情報をやり取りする技術

 

イーロン・マスク氏は、自身が設立したNeuralink(ニューラリンク)社で脳にデバイスを埋め込み、 Bluetoothによって無線通信でコンピュータに人の脳がつながる技術の開発を行ってます。 詳細は下記の記事が分かりやすかったので興味があれば見てみて下さい!

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/09/post-94328.php

自分にとって、BMIは、自分たちの脳のキャパシティを超え、さらに機能拡大していくことを可能にする技術、、、と理解してます。 まさに攻殻機動隊のような、SF的な世界が未来に待っているのでしょうか。人の限界がどこまで広がるのか、楽しみでもあり、少し恐ろしくもあります。

さいごに

ここまでブレインテックについて資料を基にブログを書きながら勉強してきました。 ますます発達していく技術分野だとは思うので、自分なりに注目していきたいと思います。

*1:引用元:https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/13361.pdf ブレインテック最新動向/株式会社日本総合研究所 先端技術ラボ 2022/4/15 P2

*2:参考:https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E6%A9%9F%E8%83%BD%E7%9A%84%E7%A3%81%E6%B0%97%E5%85%B1%E9%B3%B4%E7%94%BB%E5%83%8F%E6%B3%95 2023/1/23閲覧

*3:引用元:https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/13361.pdf ブレインテック最新動向/株式会社日本総合研究所 先端技術ラボ 2022/4/15 P2

*4:引用元:https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/13361.pdf ブレインテック最新動向/株式会社日本総合研究所 先端技術ラボ 2022/4/15 P2

*5:引用元:https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/13361.pdf ブレインテック最新動向/株式会社日本総合研究所 先端技術ラボ 2022/4/15 P2

*6:引用元:https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/13361.pdf ブレインテック最新動向/株式会社日本総合研究所 先端技術ラボ 2022/4/15 P14

*7:引用元:https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/13361.pdf ブレインテック最新動向/株式会社日本総合研究所 先端技術ラボ 2022/4/15 P14

*8:引用元:https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/13361.pdf ブレインテック最新動向/株式会社日本総合研究所 先端技術ラボ 2022/4/15 P14

*9:引用元:https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/13361.pdf ブレインテック最新動向/株式会社日本総合研究所 先端技術ラボ 2022/4/15 P14

*10:引用元:祥伝社 ブレインテックの衝撃 ――脳×テクノロジーの最前線 小林雅一 P14(電子版)