「注文したのに価格が分からない?」から始まる証券システム入門

システム開発一部のHです。

システム開発部は、転職者がほとんどで、いろいろなバックグラウンドの方が入社されています。元証券会社の人や投資に興味のある人が多いかと思いきや、実際にはいろいろな業界から来ていて、投資自体したことがない方も結構入社されています!
バックグラウンドが違ってもみなさん活躍されていますが、証券会社のシステム開発に関わると、まず直面するのが「用語の壁」です。
コードは読めるし設計もできる。でも、会話が分からない、ということが普通に起きます。
私は前職も証券会社だったので、いろいろな証券会社の画面を見たり、実際に取引してみたりということをやっていました。マネックスでは、申請を出せば他社の証券会社でも口座開設や取引が可能だったりします。

実際に取引をしてみると、
「注文したのに価格が分からない」
「買ったのにすぐ残高に反映されない」
こういった挙動に出会います。普段の感覚だと少し違和感がありますが、証券の世界ではごく普通に起きることです。

本記事では、証券システムに関わり始めたエンジニアが最初につまずきやすい投資用語と、それがシステム上でどう扱われているのかを、実務目線で整理してみます。

 

 

「約定」と「受渡」ってなんで分かれてるの?

最初にわかりづらいのがこの2つです。

  • 約定:売買が成立すること
  • 受渡:実際にお金や商品が動くこと

感覚的には「買ったらもう自分のものでは?」と思いがちなんですが、証券の世界ではそうなっていません。
約定はあくまで「成立した状態」で、
そのあとにお金や株が実際に動く(=受渡)という流れになります。
受渡は「お金の精算」のため、受渡日が先の商品については、売却して約定していても、それまで出金ができません。

株だとまだ分かりやすい

株の場合は、

  • 注文
  • 約定(すぐ or 少し後)
  • 数日後に受渡

という流れです。
なので、「ちょっと遅れて反映されるんだな」くらいの理解でもなんとかなります。

投資信託になると一気にややこしい

ここからが本番です。
投資信託だと、日付が増えます。

  • 申込日:注文した日
  • 約定日:価格(基準価額)が決まる日、商品によって異なる
  • 受渡日:実際に反映される日、商品によって異なる

で、さらにややこしいのが注文した時点では価格が決まっていないという点です。
「え、いくらで買ったの?」となりますが、
あとから決まった価格で約定します。

項目

株式 (国内株)

投資信託

注文時の価格

その場で決まる(または指定する)

不明(後から決まる)

注文時の数量

株数を指定する

金額指定(口数は後で決まる)
口数指定

約定のタイミング

即時、または取引時間中

翌営業日など商品による

しかも数量もあとで決まる

投資信託は「1万円分買う」といった注文ができます。
つまり、

  • 金額だけ決めて注文
  • 約定後に口数(数量)が決まる

という流れになります。
価格も数量も後決まり、最初はかなり違和感があります。

システム的に見るとこうなる

ざっくり整理するとこんな感じです。
株:

  • 注文 → 約定 → 受渡待ち

投信:

  • 注文 → (価格未確定で待ち) → 約定 → 受渡

“待ち状態”が1段増えるイメージです
このあたりが分かってくると、「なぜこういう設計になっているのか」が見えてきます。

実際にやってみるのが一番早い

ここまで読んでも、正直ピンとこない部分もあると思います。
そういうときは、少額でいいので実際にやってみるのがおすすめです。
例えば:

  • 投信を買ってみる → すぐ価格が出ない
  • 約定日を確認する → 注文日とズレる
  • 受渡まで待つ → 反映が遅い

こういった体験を一度すると、
「あ、こういうことか」
と腹落ちしやすくなります。

用語の壁って結局なんなのか

投資用語って難しく見えるんですが、実は業務のルールをそのまま言葉にしているだけだったりします。
なので、

  • 用語が分からない
  • 背景が分からない

状態だと、仕様も分からなくなってしまいます。

まとめ

証券システムに関わると、最初にぶつかるのがこの「用語の壁」です。
特に投資信託は、

  • 価格が後で決まる
  • 数量も後で決まる
  • 日付が複数ある

と、なかなかクセがあります。
ただ、

「仕組みとして見る」
「実際に触ってみる」
この2つでかなり理解しやすくなります。

他にも、さまざまな入出金経路やクレカ積立、dアカウント連携など、触ってみると分かることはまだまだ多いです。私も自分の口座で一通り試してみました。実際に口座開設して取引してみると、証券システムの奥深さと複雑さを実感できると思います。

これから証券システムに関わる方の参考になればうれしいです。

 

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