Ai4 2025のセッション紹介「Best Practices of Enterprise MCP Adoption」

こんにちは。マネックス・ラボでAI関連の仕事をしている、佐藤です。

2025年8月11日〜13日にラスベガスで開催された、Ai4に参加してきたので、そのときに聞いたセッションの一つ、「Best Practices of Enterprise MCP Adoption」について紹介したいと思います。

このセッションを選んだ理由は、マネックス全社でMCPを活用するにはどうすればいいのか、という議論がなされており、また、検証を目的とした内製MCP Serverの実装も始まっているので、何かヒントが得られればと思ったからです。

スピーカーはObot.aiのCEOの方。2025年5月23日にサンフランシスコで「MCP Dev Summit」を開催されており、熱意を感じる方でした。ちなみに、今年の10月2日にはロンドンでもMCP Dev Summitを開催するとのこと。

10月6日はOpenAIのDev Dayも開催されますし(こちらはサンフランシスコ)、世界中でAI関連のカンファレンスが開かれていますね。

内容をつらつらと書きつつ、セッション全体を通して感じたことを書いてみます。

スクリーン目の前に座れなかったので、スライドが見づらかった。

セッションで話していた内容

  • スピーカーのバックグラウンド
    • Obot.aiというスタートアップ。
    • ツール、チャットボット、エージェントを開発してきた。
    • MCPと競合する技術を持っていたが、MCPを受け入れることにした。
  • MCPの歴史
    • ToolCallから始まった。
    • その後、エージェントがToolCallを呼び出すためのフレームワークが登場した。
    • 我々も1つフレームワークを作った。
    • MCPと競合していたが、Claude DesktopやCursorの普及を見て、MCPを導入した。
    • とはいえ、MCPではなくともツールを呼び出せれば、AIはエージェントに変わることができる。
  • エンタープライズでの安全なMCPの導入
    • エンタープライズの企業からは、MCPを社内に展開したいという相談が多い。
    • しかし、Claude Desktopの例を考えると、開発者向けである。
    • ビジネスユーザー向けではない。
    • また、mcp.soでは、毎日大量のMCPサーバーが公開されている。
    • これらのMCPサーバーはデータ送信を行うので、安全性の保証はない。
    • さらに、MCPサーバーはAPIコールも実行するが、これは社内で実行される。
  • エンタープライズでのMCP導入の鍵
    • 1. Discover
      • mcp.soでFigmaのMCPサーバーを探すと、幾つものMCPサーバーがヒットする。どれを使うべきなのか?
    • 2. Secure
      • IT部門にとっては、バックドアにならないかをどう確認するべきか?
    • 3. Use
      • 開発者以外にはまだ難しい。ChatGPTがMCPをサポートしてくれればよいが、まだである。
    • 4. Build
      • 難しくはないが、簡単でもない。
  • Discover
    • ほとんどのMCPサーバーのクオリティは低い。
    • 1995年ごろのインターネットの質より悪いかもしれない。
    • ほとんどの企業はSaaSをディレクトリで管理しており、Oktaのようなサービスで管理している。
    • これと同じことが必要。
    • MCPカタログから始めることになる。
    • ローカルとリモートのMCP Serverの両方をカタログに含める。
    • ただし、将来的には不要になるかもしれない。
    • 将来的には、ウェブサイトがMCPとして公開されるかもしれないため。
  • Secure
    • MCPカタログに、ポリシーが必要。
    • 従業員が、カタログにあるMCPだけを使うようにする必要がある。
    • しかし、特に開発者に対してはそれを強制するのが難しい。
    • ビジネスユーザーに対しては、社内の認証情報で認証するように制御できる。
    • さらに、unsafeなMCP callをフィルタリングすることもできる。
    • 現状、開発者がMCP Serverをクラウド上に起動することを防ぐのは難しい。
  • Use
    • 一番人気のあるMCP Clientは、チャットボット。
      • Claude Desktop, Cursor, VSCode
      • ビジネスユーザーは、ChatGPTのような体験を好む。
        • 複数のMCP Clientをサポートするのがよい。
      • 新しいMCPは、UIを返すこともできる。
      • アプリの実装の仕方を変える可能性がある。
      • チャットボットがブラウザの代わりになるかもしれない。
    • また、チャットボットではなく、エージェントに組み込まれることもある。
      • エージェントが動作するとき、MCPを使うことができる。
  • Build
    • MCPサーバーの構築について。
      • APIとしてサービスを構築するのと変わらない。
      • FastMCPなどのSDKがある。
      • ホストする方法はいくらでもある。Cloudflareでもホストできる。AWSでもいい。
      • OpenAPIをMCPとして公開するのは賢明ではない。
      • OpenAPIはリソース・ベースである。
      • MCP Serverはユースケース・ベースであるべき。
      • OpenAPIは開発者向けに設計されている。
      • AIが望むのは、ユースケース・ベース。
  • Everything will be an MCP server
  • ObotのMCP Gatewayの紹介。

セッションを聞いての感想

  • MCPカタログを社内に作る事例は日本国内でもよく聞くので、まずここから着手するのが良さそう。
  • 社内で利用できるMCP Serverを制限するアイディアが欲しかったが、現状では良い方法はなさそうだった。
    • できることがあるとすれば、mcp.soへのアクセスをブロックすることだが、他の経路でもMCP Serverは入手できるので、完全に制限することは難しそう。
  • MCP Clientは社員の専門性や、やりたいことによって使いたいクライアントが変わってくると思うので、選択肢をいくつか用意することが重要だと思った。
  • MCP Serverを社内で作る場合には、ある程度、標準的な実装方法やホスト先を定める方がよさそう。
    • サブシステムごとに違うSDKで実装してしまうと、技術が進化したときに対応するときのコストがそれぞれで発生してしまうため。
  • Webサービスを、MCPとして公開していくトレンドについては、引き続き追いかけていかないと、取り残されそう。
    • MCP UIはすぐにでも試すべき。

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佐藤 俊介マネックス・ラボ